ご案内

アメリカ、日本、ヨーロッパ聞の地域アロケーションの競合となる。 一方、わが国はアジアの一員であるため、アジア・オセアニア地域アロケーションの競合ともなる。
場合の区分けは、日本、アジア・エマージング・マーケットとの競合となる。 実は点がわが国の投資家にとっても、また外国人投資家にとっても、非常に難しい作業となるoあまりにも市場の性格が違い過ぎるからである。
恐らく、投資家サイドの現実的な対・応としては、かなりフレキシブルなスタンスをとっていくしかないだろう。 たとえばミューチュアル・ファンド業界においては、一国のみに縛られたシングル・カントリー・フアンドよりは、広範地域をカバーしうるリージョナル・ファンド(ないしマルチ・カントリー・ファンド).さらにはナル・ファンドがそれである。
より高いリターンとリスクの分散を求めるならば、こうした方法が必然的な帰結であろう。 なかで、日本がどう位置づけられてくるのか、新たな課題といえる。
リスク・テイクをめぐる格差投資とは、もともとリスクの伴うものである。 リスクの学問的定義はさて置くとして、わが国において1989年12月末までは右肩上がりのパターンが続いてきた。
昭和36年から40年に至る証券不況は別として、その後の第1次石油ショック、第2次石油ショック、さらに1987年10月のニューヨーク発株価大暴落(ブラック・マンデー)においても、ナンピン買い下がり方針を貫いていれば結局は報いられることになった。 最も保守的な機関投資家といわれる生命保険会社においても、常に純増ペースとなって流入してくる新規資金をもとに、株式を買い続けていれば含み益は増えていった。
もともと配当利回りでは買えない株式に投資してきたのは、政策投資目的。 可能な含み益の形成に最大の主眼点があったとみてよい。
パイカイによる益出しは、現物株を市場に放出することではない。 あくまで帳簿上の付け替えであり、市場圧迫要因とはならない。

いずれにせよ、右肩上がりの株価パターンが続く限り、リスク・テイクを行なったとしても、本質的にナンピン買いの域を出ていなかった。 だが、バブル崩壊以来、わが国の投資家は自信を喪失し、低リスク・低リターンを志向するようになった。
わが国に40兆円にも及ぶコール市場が必要なのかという疑問があるが、これも行きどころのない資金が滞留しているものと解釈すべきであろう。 外国人投資家は「日本にはリスク・テイカーがいない」と指摘する。
確かに欧米諸国のように、積極果敢に株式投資に挑戦する年金基金やミューチュアル・ファンド、へッジ・ファンド、富裕個人投資家、さらには証券ディーラーの存在は薄い。 これが現在の東証1日平均出来高2億株という低水準のひとつの原因をなしていることは否定できない。
わが国ではスイスにあるようなプライベート・パンクは存在しないし、わずかな個人仕手筋もここにきて完全に市場から姿を消している。 一時期10兆円を超えた3市場の融資残が、最近では2兆円程度にまで落ち込み、さらに売り残と買い残の比率が縮小均衡となっているのは、リスク・テイカーとしての個人投資家の市場離脱を物語るものであろう。
それならば、外国人投資家が指摘するように、わが国にはリスク・テイカーが存在しないので、あろうか。 答えは「いることはいる。
だが民間部門の投資家ではなく、公的資金だ」ということである1965年(昭和40年)当時の証券不況時において、株価を支えたのは日本共同証券や日本証券保有組合の後ろ盾となった政府(日銀)の公的資金であったし1992年のバブル崩壊時に、金融システム維持という名目の下に導入されたのも公的資金であった。 つまり、わが国株式市場のラスト・リゾートであり、最大のリスク・テイカーは政府ということになる。

先進諸国に例をみないものであろう。 民間部門に欧米なみのリスク・テイカーが存在しないのは、貯蓄構造、税制、投資技法の未発達、農耕民族的性格など様々な要因はあるが、バブル崩壊によって傾向がいっそう助長されたようにみえる。
とく1994年に入ってからは「上値を買うのは外国人投資家、下値を支えるのは公的資金」といったような見方が市場内に定着し、それ以外の投資セクター1994年11月までは積極的な行動を示していない。 売買代金の差額をみると、事業法人が大幅な売り越しとなっているが、これも相場の先行きが弱いとみるから売るのではなく、持ち合いの解消や資金繰りのためにやむなく現物を売りに出しているに過ぎない。
リスクをとるということは表現をすれば、いかにそれをヘッジするか、ということにもなる。 欧米諸国に比較すれば、わが国のリスク・ヘッジの感覚も、またインフラストラクチャーも残念ながらかなり劣るといわざるをえない。
また、株式についても、欧米市場のように実際に売買しようにもマーケット・メーカーの存在は薄く、個別銘柄のオプションも制度としては存在していない。 ソロモン・ブラザーズやベア・スターンズのようなディーリング・ハウスはわが国にはいないのであるいずれにせよ1990年代に入って、員のように動かない投資スタンスが定着してしまった。
だが、資金がないかといえば必ずしもそうではない。 資金はあるが運用難というのが実態であろう。
内外の投資物件を眺めてみれば、高リスクだが高リターンのものはかなり存在する。 これに対するチャレンジ精神の喪失は、わが国投資業界にとって大きな損失であり、ここでまたとくに欧米諸国との投資技法との進歩の絡差が一段とつくように思える。
外国人投資家からの挑戦状外国人投資家の対日証券投資に関する対応が、過去の経緯をみるとき、すべて正しかったわけではない。 IOSやオイル・マネー、さらには香港の仕手筋のように、自然消滅の形で市場から去ったものもあったし1987年10月の株価大暴落の後には、本来売却すべきでない日本株を、資金繰りによる事情でやむなく手放さざるをえないケースもあった。
ただ、確実にいえることは、外国人投資家がわが国に与えた衝撃は、わが国にとってまったく革命的ともいえる証券分析、財務会計制度、ポートフォリオ・マネジメント、派生商品取引、それにグローパルな視点や証券アナリスト、ボートフォリオ・マネジャー、ディーラー、各種コンサルタント達のプロフェッショナリズムであった。 一般的にみて、外国人投資家の行動は、いくら買い越したか、いくら売り越したかといった量的な側面でとらえられがちである。

質的な側面は、いわば欧米投資業界の歴史の集積といえるものだからである。 まず、外国人投資家がわが国に持ち込んだものはグローパルな視点であった。
あたかもトンビが大空を飛びかつて獲物を見つけるとサッと舞い降りる行動にも似ている。 もちろん、その裏付けとして用意周到な、国際比較分析であることはいうまでもない。
産業や個別企業を分析する手法や証券アナリストの質も1990年代において縮まってきたといえども、まだプロフェッションとしては大きな格差が存在している。 アナリスト個人の力量に差があること以前に、母体企業からの独立性については疑問の余地が多い。
投資技法においては、いまだ完全に後追いとなっている。 マルコヴイッツのポートフォリオ理論を皮切りに、その後、延々と展開されてきた。

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